大きな独り言

ありのままいる場所。

バイバイする時

小さい頃から、別れ際は2度振り返って育ってきた。登校する時は行ってきますと振り返って2歩くらい歩いたらもう一度振り返って手を振った。母親もいつもちゃんと待っていて、笑顔で手を振ってくれた。

習慣というのは怖くて、社会人になってからも実家から出社するときは相変わらず二度振り返る。

友達と別れる時もいつも2回振り返ってしまう。大抵みんな下を向いてスマホを見ていたりして気付いてくれないけど、姿が見えなくなるまで見送っている。いつもちょっと切ない。

人生で何度か、同じように必ず2回は振り返ってくれる人に会ったことがある。その時は心がとても救われたような、スッとした気持ちになる。そしてそういう人とは結構な確率で親友になる。

2回振り返れることは愛しさを表せる、と勝手に思っていて、そんな人はいつも手放しに信用出来るなって思う。だって、誰にでも出来ることじゃなくて、出来る心の方が少ないから。

この話は明日から私と別れる人は必ず2回振り返ってよってことじゃなくて、ふと思った私の中の素敵な心の基準、というだけ。

その点で、母はずっと素敵な心の持ち主だ。