大きな独り言

ありのままいる場所。

唐茄子屋

平成中村座で唐茄子屋を見た。賛否両論あるやろな〜というくらい宮藤官九郎がいつも通りだったので、私は嬉しかった。

いつまでも歌舞伎の敷居を下げ続けてくれる中村屋には頭が上がらない思いでいる。

「生きねえと死んじまうんだチクショー!」とヘニョヘニョしてたとくさんが勇みよく花道を走り抜けて揚幕に下がった時になんだか肩から力がふわっと抜けた。

宮藤官九郎はいつも、私のずーっと前を格好よく歩いている。その背中を、追い続けている。

「貴方が演劇を嫌いになってなくて良かった」と最近何度か言われた。嫌いになれるわけないけど、演劇を死ぬほど好きでもない人たちが、演劇を作っている裏の空気を嫌な風にし続けるのはどうしても堪えた。何度も泣いているものの根底は血が煮えたぎるような悔しさから来ている。

大学の時に100人を超えるカンパニーで作っていたけど、上に立つ人ほど達観している、いつも。大抵小競り合いをして誰かを傷つけるのは中間にいる人たちで、それもやっぱり、演劇をよくしようと心から純粋に向かっていれば起こらないことだと思う。

ということで中村屋は希望。ありがとうございました。