19℃の夜道
中野駅の横、東中野に向かって歩くと壁が絵しりとりになっている。最近は呑んだ後、セブンのコーヒーを飲みながら一駅歩くのが習慣になっている。夜道のいい気温は19℃。覚えておこう、覚えておこう。
わたしには余裕がないな。いつもこうだな。相手の真意を知る前に疑ったり傷付いたり、離れたりしている。
カネコアヤノが歌った「グレープフルーツ」の力強さにキュッとなった。いまのわたし。
知りたい、知りたい。心を通わせたい。と悶々と願っていながら、観ていなかったはるか昔の銀河系の物語を見ている。少年のようなキラキラした顔で「最初に劇場で観たのがスターウォーズだったから、そこが始まりだったんだよね」と言っていた。
私が「笑の大学」で始まったように。ちゃんと彼にも始まりがあったのだ。知るならそこからだと思った。
適温の夜道、19℃。
消えてしまうかもしれない、と思っていたら、昼の微睡で消えていく夢を見た。重荷にはなりたくないし、そもそもなるほど親しくないし、幻だったのかもしれないな。
傷付くのが怖いんだよね、流石に20を超えたら臆病になってくる。
昨日入ったバーの同い年の女の子、片想いの相手に「好きってことなら毎日伝えてます」と言ってて超カッケーだった。
いまのわたし、甘い砂糖と苦いグレープフルーツみたい。
私自身、たった1人を、バランス良く生かすことが今でも難しい。とても手を焼く。
竜ちゃんが亡くなったのだって、とても哀しいし。
また夜道を歩きたい。